診療の方針

ペットフードは悪か?

  結論から申し上げると『悪』ではありません。
  ただ、生物に100%は絶対にないので、『完璧』でもありません。

  当然、合わない子もいるわけで、そういう子には、個別の対応を取るという柔軟性が必要と考えております。

  世の中には 「いかなる環境においても1年は品質が維持できるように、ペットフードには大量の保存料が入っている!」「価格を考えれば原材料の質が高いわけがない!」 などの話があり、不安に思っている飼い主さんがいらっしゃるのも事実です。

  当院のスタンスは、 「大多数の犬猫が問題ないのだからほとんどの犬猫では大丈夫だろう。ただ、だからといって、ペットフード以外を食べさせてはいけないという主張は行きすぎたものであり、手作り食を完全否定する理由は世の中に存在しない。人間がカップラーメンから料亭料理まで、幅広い食事を楽しむ様に、ペットだって何を食べても良いだろう。ただし、身体に合う範囲で無理・無茶をせずに!」 というものです。

  個人的な感想を申し上げますと、ペットフードを頭ごなしに拒否反応を示す態度にも、手作り食は言語道断などという短絡的な態度にも、ともに違和感を感じます。臨床の現場にいればすぐわかることですが、現実はそんなものではないからです。

  ペットフード反対派の方に申し上げたいのが、大多数の犬猫は市販のドライフードと水で問題なく生活をしています。

  なぜでしょう?

  人間の場合を考えてみてください。百歳を超えてなおタバコを大量に吸い、「健康の秘訣はタバコじゃ!」と言い切る大先輩がいらっしゃるかと思えば、健康に気を遣っているのに、寝込むことが多い方もいらっしゃる…。

  この違いは何かといえば、前者は処理・排泄能力が高い、後者はそうではないと考えられます。

  実際、須崎の身の回りにも風邪をひきやすい人間が多数おりますが、私自身風邪引きさんと一緒にいても、風邪をひくことはほとんどありません。

  違ういい方をすれば、身体にある排泄のスイッチがオンになっているのか、オフになっているのか?の違いによると考えられます。

  そのスイッチがオフになっているのをオンにすることができるかどうか、について語るのはまた別の機会に譲るとして、明らかに個体差があるということです。ですから、あなたのペットのスイッチがオフになっているからといって、「ペットフードなんてどれもとんでもない!」というあまりにも狭い視点の主張を私は指示しません。

  一方で、手作り食を完全否定する方がいらっしゃいます。

  事実をありのまま認識していただきたいのですが、ペットフードは人間の食事で言えばインスタント食品です。あなたはご自身の赤ちゃんを「ぜひ、インスタント食品だけで育てたい!」と思われるでしょうか?

  少なくとも須崎家ではそう思いませんし、同じようなスタンスの方も世の中にはいらっしゃると思います(全ての方がそう思っている、などとはもうしません)

  インスタント食品が家庭の食事や料亭の食事に勝るわけがないのと一緒で、インスタント食品はインスタント食品でしかありません。それ以上でもそれ以下でもありません。

  このことから、日本の義務教育において家庭科を学んだ人々が作る「手作り食」がペットフードに劣るということはなく、まして、手作り食がペットに有害だなどという意見は現実的にほとんどあり得ないことです(意図的にジャガイモの芽を入れるなどの場合を除く)。

  日本の義務教育を受けていれば、「今のこの食事が身体に良いわけがない。」ことは直感的に理解出来るはずだからです。

  以上のことから、手作り食は絶対にダメだ!などという短絡的な意見にも賛成出来ません。

  結局、その子に合うなら何でもいいのではないか?というのが結論なのです。

  フードを食べさせたければそうすればいいし、手作り食を食べさせたいと思えば、手作り食で良いのです。

  フード派、手作り派などと争うのではなく、いろいろな考え方を尊重出来るゆとりをもちたいですね。

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