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ペットが病気になったとき、いくら治療をしても、今ひとつ結果に納得がいかないことってよくありますよね。
私の病院は開設当初は、食事療法を主軸にして治療を行っていました。ところが、あるとき、アトピー性皮膚炎のイヌ、サリーちゃんに食事療法を行っていたのですが、ある程度までは良くなったのですが、「ある程度」からは一向に良くならないのです。赤みが多少あり、痒みも少し残っているんです。
食事の材料を変え、水の質も見直し、とにかく考えられることを一通りゼロから見直しました。それでも、改善が認められず、原因がわからなかったのです。
それで、もう一度往診に伺ったんです。そうしたら、やっとそこで気が付きました。飼い主さんのお母さんの口癖に・・・
「あぁ、あぁ〜、そんなところに上がっちゃダメ!」「それかじっちゃダメ」「こっちに来ちゃダメ」「そこに入っちゃダメ」「ダメ、ダメ、ダメ、ダメ・・・」もし私が、自分の母親に毎日こんなこと言われたら、イライラして、反抗的になり(そんな年でもありませんが)、精神的に不安定になり、疲れやすくなったり、便秘になったり、下痢になったり、肩が凝ったりなどと体調も優れない状態になるでしょう。怒りっぽい上司の下で働いていたら、仕事もしたくなくなりますし、「仮病で休みたいなぁ〜」なんて思ったら、本当に病気になったりして・・・実際、おなかの調子が悪いなんていう人が結構多いですよね。
とにかく、飼い主さんが神経質でイライラしやすいことに気付いていなかったのです。
このことに気づけたのは、その数日前に読んだ本に、「人格病理学」という話があり、「子供のアトピーは、母親の精神状態が不安定になると悪化する」という内容だったのです。つまり、精神的に影響力の強い人がいると、その人の状態に影響を受けやすいということなんですね。で、サリーちゃんは、お母さん大好きっ子ですから、お母さんの影響をモロに受けていると考えられるわけです。
それで、お母さんに、呼吸法などのやり方をお伝えして、もう少し日常でリラックスすることを覚えていただきました。加えて、使う言葉に気をつけてみてください、とアドバイスいたしました。とにかく一ヶ月続けてくださいという約束をして、帰りました。
それから二週間後、飼い主さんから連絡があり、「かなり良くなってきました。最近、赤みが無くなって、ほとんど掻かなくなってきたんです。私が原因だったとは、ビックリでした。
私にとっても貴重な発見でした。このお母さんは、冷え症で大変だったらしいのですが、リラックスの仕方を覚えたことで、血行が良くなり、冷えも気にならなくなったそうです。
このケースを経験してから、ペットと飼い主さんの関係の重要性を再認識することができました。飼い主さんを放っておいて、ペットにだけ薬を処方するなんていうのはかわいそうですよね。それよりは、双方が楽になった方がいいと思うんです。飼い主さんも、「環境」ですからね。
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