PCR検査でコロナ陰性でも大丈夫のお墨付きがもらえない理由とは?

診療中に
「PCR検査の結果が陰性だったからといって、【大丈夫のお墨付き】にはならない」

という話をすると、
「なんで?」
というリアクションを頂く事が多いです。

このように、意見の相違があるとき、判断基準の前提が違うことがよくあります。

なぜPCR検査で陰性でもお墨付きがもらえないのか?

世の中には万能の検査方法など無いのですが、不適切な報道のために「PCR検査が万能」かのような印象を国民に与えたことが問題です。

例えばPCR検査には
1)精度の課題
2)それなりの技術が必要
などの問題があります。

1)で大きな問題の一つが「偽陰性」の結果が出た場合です。

陰性結果で大丈夫のお墨付きは得られない!

「偽陰性」とは、【本当は陽性なのに「陰性」という結果が出ること】です。

そのなにが問題かというと(抗体検査でも同様のことが言えるのですが)、「やった!陰性という病院のお墨付きをもらった!」と勘違いすることで、その方は自由に行動するようになるでしょう。そうすることで、その方が行った先々で感染を拡げてしまう可能性があるのです。

最初に検査数を増やし過ぎたために、偽陰性で感染を広めてしまった国もあります。

しかも、日本は医療費が安いから、「誰でも検査を受けられる状態」にしたら、偽陰性も、擬陽性も沢山出て、あっという間に医療機関の受け入れ許容量を超えてしまいかねません。

充分な量の「検査に必要な備品」、「医療スタッフ」が存在し、
擬陽性の方も含めて収容できる入院設備があり
偽陰性の方も「全員」慎重に行動してくださる

三つが揃うのであればドンドン検査した方がいいのですが、それが現実的でないから、

陰性は確実ではない!
確実なのは陽性!
だから、陽性かどうかだけ調べよう!(陰性かどうかを調べる必要性は低い!)
陽性かどうかを調べるのは症状の強い人
偽陽性を最小限にするために、元気な人や超軽症の人は検査しないようにしよう
(受け入れ体制に限界があるから)
ということで、現状を鑑みて

検査は必要なケースに絞れ!」と言われているのです。

というと、「診断できなければ対処が遅れるのでは?」と
誤解する方がいらっしゃるかもしれませんが、
コロナウイルス感染症に特効薬はないので、対症療法するしかない
ので、
===
コロナとわかってもわからなくてもする事はほぼ一緒
===
なのです。

それと、現場の医師なら、通常の診察で「検査に回さなくてもほぼわかる」ものです。

ご本人達は絶対におっしゃらないと思いますが、たぶん「現役医師の診断力をなめんな!」と思っていらっしゃるはずです。

 

2)は機材だけあっても、技術者が揃わなければ検査の精度が低くなり、検査をする意味がなくなるのです!

その辺の高校生を連れてきて、チームに入れて即戦力になんかならないのです!

誰でも彼でも簡単にできるわけではなく、技術が必要なのです!

私も研究室時代にPCRをやっていましたが、結果が安定するまで時間がかかるのです。

そんな「結果が不確かな、ひよこ技術者」が、今まさに「感染爆発・医療崩壊」をギリギリ防ごうとしているときに、戦力になるわけがないのです!

そんなことになったら、出てきたデータの意味がなくなります!

ファーストフード店のバイトをするのとはワケが違うのです!

素人が「手伝いに来ました!」といって、「あいよっ!そこの紙に書いてある通りに液を混ぜて、機械にかけて頂戴!よろしくねっ!」なんていうわけにはいかないのです。

 

ということで、総合的に鑑みて、現在の検査態勢は満点ではないかもしれませんし、改善点もあるので、日々軌道修正の連続だと思いますが、百点満点なんて存在するわけがなく、他のどんなものにもあるように改善点はありますが、「全体として、どうしようもない状態ではない!むしろ、上手くいっている!」といえるのです。

ですから、PCR検査を万能などと思って欲しくないのと、PCR検査をしないからといって、不安に思う必要はないということを一人でも多くの方にご理解頂きたいです。


最後に繰り返しますが、

「PCR検査や抗体検査の結果が陰性だったからといって、
【大丈夫のお墨付き】にはならない

のは、
検査結果が必ずしも正確ではないから
偽陰性の人がまき散らしたら大変なことになる!
からなのだと、理解してください。


もしあなたが現時点で、「それでもやっぱり、もっとPCR検査を!」とお感じになるのでしたら、「なにか不適切な情報に基づく、プロが門前払いにするような前提」を信じていらっしゃるのだと思います。

現場の医師達は、素人が思いつくようなことを思いつかないほど、判断力や思考力に問題ある人間ではありません!

彼らは最善を尽くしてくださっていますから、外部から素人が余計なチャチャを入れてストレスをかけないよう、治療に集中できるよう、見守っていてください


そして、頑張って素晴らしい結果を出してくださっている方々を褒めたりするどころか批判ばかり!などという品性を疑われるようなことはせず、ねぎらいの言葉をかけたり、建設的な提案が出来るように、国民全員が感謝しつつ、支えていきたいものです。

支えなくてもいいから、邪魔はしないようにしたいものです。

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