犬猫が夏に食欲がなくなるのはなぜ?夏バテ?病気?の見極め方と対策

夏になると、

愛犬・愛猫の食欲がなくなった…何を食べさせたらいいの?
というご相談が増えて来ます。

などと書くと、
みんなそうなるの?
と不安に思われるかもしれません。

夏になると犬猫はみんな食欲がなくなるの?

犬猫が夏に食欲がなくなる場合、
ほとんどのケースが

夏バテ
です(もちろん、他にも理由があります→後述)。
では、全ての犬猫が夏バテになるのでしょうか?

もちろん、可能性は全ての子にありますが、
ほとんどの子はなんともありません。

なぜなら、

身体には素晴らしい調整能力があり
飼い主さんが適切に対応して下さる
ので、
夏の暑さを乗り越えられる
からです。

しかし、実際に食欲がなくなる子はいる…

それはなぜなのでしょうか?

食事量を減らして体温上昇を防いでいる

私は食事をすると汗をかくタイプで、
冬でも額にティッシュが張り付きます(笑)。
それでも食べるんですね…。

その点、動物は非常に賢い!
食事量を減らして体温上昇を防ぐ
などというワザを使うのです!

でも、なんでそんなことをするのでしょうか?

犬や猫はヒトと比べて暑さに弱い

犬や猫はヒトと違って汗をかきません。
ですから、犬や猫はヒトと比べて暑さに弱いのです。

しかし、大抵の子は夏バテにはなりません。

なぜなら、
水分摂取が適切
飼い主さんの温度・湿度管理が適切
だからです。

逆に、夏バテになる子には、
必ず理由があります。

日本の夏は湿度が高いから夏バテしやすい

ヒトは汗をかいてその汗の気化熱で体温を下げます。

しかし、汗をかかない犬や猫は
ハーハーと呼吸すると同時に
唾液の気化熱で体温を下げています。

ただでさえ効率が悪いところに
日本の夏は湿度が高い
ため、唾液が気化しにくく
そのため、体内に熱がこもりがちです。

犬猫には調整能力があるのですが、
このように、その限界を上回ると…

調整が間に合わない→夏バテに…

例えばヒトでも
人生で一度も夏バテになったことのない方もいらっしゃれば、
気温・湿度・気圧の変化に身体が付いていかず、
体調を崩す方もいらっしゃいます。

その違いの理由の一つは
身体の調整能力が充分に発揮できない
ことが考えられます。

その調整能力が充分に働かない理由には
主に次の三つが考えられます。

調整能力が働かない3つの理由

1.そもそも調整能力が充分でない(身体が弱い)
2.他に病気・不調がある
3.限度を超えた環境変化

が主に考えられます。

1.そもそも調整能力が十分でない

いわゆる、「身体が弱い」という状態です。
他の子は難なく対処出来る環境の変化に
身体を適応させられるだけの調整能力を
発揮できないタイプです。

もちろん、先の犬猫の体温を下げる仕組みのように
もともと限定的という理由もあります。

毛がダブルコートだとか、短頭種だとかという理由もあります。

このような場合は、飼い主さんが
環境の変化を最小限にしてあげる工夫が必要なのです。

次は、他に病気・不調がある場合です。

2.他に病気・不調がある

体内に何か不具合があり、
それが原因で調整能力を十分に発揮できない
そんな子もいます。

この場合、

「食欲がないのですが、なになら食べてくれますか?」
という質問は本質的な解決にならず、【不適切】で、
食欲がなくなる原因を探って、
その原因を取り除くことが最優先課題です。

こう申し上げると、知りたい事を教えてもらえなかったからか
「ケチ!」
と思われる方がときどきいらっしゃいますが、
獣医師として、
命優先の適切なアドバイスをしているつもりです。

そして次は、「限界を超えた」です。

3.限度を超えた環境変化

どんなに調整能力を発揮できていても、
真夏の炎天下、窓を閉め切った車の中に放置したら
生命の危機に瀕します。

身体には素晴らしい調整能力がありますが、
限度はあるということです。

重症になると熱中症になったりします。

これら三つのことを飼い主さんが理解して、
ヒトとは違う特性をもった生き物と暮らすことが重要です。

ところで、
夏になると食欲がなくなるのは
夏バテの可能性が高いのですが、
夏バテには他にどんな症状があるのでしょうか?

夏バテの症状

夏バテの症状には次の様なものがあります。

食欲がない
元気が無くダルそう
歩くスピードがゆっくり
下痢・軟便<br> □睡眠時間が長くなる

これらは、環境の変化にスムーズに対応できずに
それでもなんとか適応しようとした結果の
【身体の反応】
です。

ですから、症状の緩和も大事ですが、
そうなった理由

温度コントロール
湿度コントロール
水分摂取を充分に
ストレスの軽減

を【同時に】改善することが必要です。

では、夏に食欲が湧かなくなる(夏バテ)の
原因には、一体どの様なものがあるのでしょうか?

夏に食欲が湧かなくなる(夏バテ)の原因

夏バテの原因には

1.暑い(温度調節能力の限界を超えそう)
2.湿度が高い(温度調節能力が働かない)
3.水分不足
4.ストレス

などが考えられます。

では、夏バテと熱中症はどう違うのでしょうか?

夏バテ?熱中症?その違い

夏バテはゆっくりと進行し、
熱中症は急速に進行(5—15分でも!)

暑い日の散歩やアウトドア・レジャー
炎天下の車中での留守番
エアコンなしの部屋

などで起こりやすいです。

飼い主さんがわかる変化だと、
荒い呼吸(ハーハーが激しい)
大量のヨダレ
口の中の赤みが強い
脈拍が速い

があります。

この様な場合は、早急に対処して下さい。

関連記事
4.熱中症の対処法

獣医師から学ぶペットの病気

夏バテ?病気?その違い

夏バテの症状

食欲がない
元気が無くダルそう
歩くスピードがゆっくり
下痢・軟便
睡眠時間が長くなる

に加えて、

発熱
嘔吐
ひどい下痢
震えている
口の中や目の結膜の色が明らかに普段と違う
ぐったりしている

といった場合、

元々の持病が悪化した
潜在していた病気が顕在化した

など、夏バテ以外の原因が考えられます。

この様な場合は、様子を見ることなく、
動物病院に連れて行ってください。

夏バテ対策

夏バテ対策は

1.室内の温度コントロール
2.室内の湿度コントロール
3.十分な水分
4.ストレス・コントロール

ですから、

室温23−25℃
湿度50%以下
新鮮な水を飲めるように工夫(肉のゆで汁など風味付けも可)
  ※体重別の一日摂取水分量の目安は最後に表になっております。
肉体的ストレス(よく遊んであげる、病気の治療)
  精神的ストレス(夫婦げんか、愚痴など)を最小限に

という環境を整えることが重要です。

冒頭でもお伝えしましたが、
大抵の犬猫では、夏に食欲がなくなったりしませんし、
仮に減ったとしても、自分で調節しているだけです。

しかし、あきらかにおかしいと感じるならば、
上記の対策を意識して実践してください。

夏に食欲がなくなることは悪い事なの?

飼い主さんと接していると、
夏に食欲がなくなると、過度に心配する方がいらっしゃいます。

しかし、夏に食欲がなくなることは悪い事なのでしょうか?

そもそも、ヒトも含めて犬や猫も
天候や室温、湿度などの環境の変化で食欲が変わることがあります。

視点を変えれば、
食事量や運動量を減らして体温上昇を防いでいる
という見方もできます。

ですから、過度に心配になる必要はありません。

「そうはいっても心配」
とか、
「グレーゾーンだったらどうしよう…」
と不安だったら、かかりつけの動物病院に連れて行って、
この状態はどうなのかを教えていただいてください。
経験に勝る学習はございませんので。

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